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2 美容整形医院にマルサが、仮名預金の行方は?
個人で美容整形医院を経営する、美形修正氏の税務調査を行いたいと、古武良税理士のもとへ特別調査官の正直一本氏から連絡が入った。
その時点で古武良税理士は通常の税務調査だろうと思っていたが、特別調査官からの調査というのが、少し気になっていた。
特別調査官とは通常、特官と呼ばれており、普通の任意調査が一人なのに対し、特官は大体2名で、しかも日数もかかる、古武良税理士は何かあるのかとイヤな気がした。
調査当日、午前中は形どおりの挨拶のあと帳簿類を一通り調査した。
ところが、午後になると特官が切り出した。
正直一本「古武良先生、じつは今回の美形先生の調査はマルサからの情報があって、通常なら料調からの調査なんですが、今回は売上洩れや仮名預金の内容は資料で把握しています。」
古武良税理士「・・・・・」
正直一本「それで、調査を早く終わらせるために、通帳を見せるように、経理担当の奥さんを説得してもらえませんか?」
古武良税理士「それはどういうことですか?」
正直一本「美形先生は、10年前から仮名の普通預金を作っていて、売上の一部を除外し、この預金口座に入金し、300万円位になったら、タマリをこの口座から仮名の定期預金を作成するという方法で、2億円の仮名口座を作成しています。仮名口座名も全部把握しておりますので、預金通帳や証書を見せるように説得していただきたいのです。」
古武良税理士「私も、今の話は始めて聞きましたので、奥さんと話をしてみます。少し待っていてください。」
古武良税理士は、経理担当の奥さんを別室に呼んで話を聞いてみると、しぶしぶながら大旨を認めた。
古武良税理士「正直調査官、私はまだ仮名の普通預金の入出金を確認していませんし、入金が全部売上洩れかどうか私も確認したいので、少し時間をください。」
正直一本「いいですよ。先生の方でも確認して間違いなければ、修正申告をお願いします」
古武良税理士は、経理担当の奥さんと、約2週間をかけて仮名の普通預金の入金や仮名の定期預金への出金を確認したが、ほぼ全額が売上洩れに間違いなかった。
なにしろ、シッポをつかまれているのだからどうしようもない。
今回の事案は金額は大きいが、手口が単純なため通常の任意調査となった。
修正申告を7年間遡及するとか、青色申告を取消すとか、事業専従者給与を否認するなど、いろいろあったが
結局、青色申告はそのままで、5年間の修正申告を行い、それでも約7000万円の追徴額となった。
しかし、美形先生は、その調査の前に株で1億円位損しており、つまり2億円の不正な所得は、ほとんどなくなった事になる。
古武良税理士の独り言 「それにしても、10年間余りも一つの仮名預金にタマリを残すとは、何ちゅうか、、、、(>_<)」
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