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1 ある日突然税務署から調査官が・・・

2 美容整形医院にマルサが、仮名預金の行方は?

3 大山鳴動ネズミ?匹

4 誰にも知られず死んでいく、税務調査官も人の子

5 レジにさわるな!

6 亡くなった母の税金を・・・?

7 シンデレラおじさんのストー
リー

8 頑固オヤジのおかげで・・・

8-2 頑固オヤジのおかげで・・
・・・part2
税務調査あれこれ/以外にしらないあれやこれ


 「頑固オヤジのおかげで・・・」(8)
 Part2


 美良山優気(チュラサンユウキ)氏の相続税の申告を何とか済ませて、この件をそろそろ忘れ
かけていた頃、古武良税理士の元へ税務署から相続税調査依頼の連絡があった。
古武良税理士は、これまで相続税の申告をかなりしてきた。
しかし、相続税の調査があったのは、ほんの数件しかなかった。ところが、最近は立て続けに
相続税の調査が入っていた。
 調査当日の朝10時に、故人の住宅で長男の堅太郎氏が臨席し、調査官との間で型通りのあ
いさつが始まった。
 正直一本調査官 「美良山さん、亡くなった父親の遺産について確認したい事がありますので、
御協力よろしくお願いします」
 古武良税理士  「正直調査官、最近相続税の調査が多いようですが、それは局の方針
            ですか?」
 正直一本調査官 「先生、先月も相続税の調査でお会いしましたね。それは、局の方針と
            いうよりは、法人税で赤字申告が多くなり、それで法人の調査が少なく
            なった分、相続税の調査が多くなりましたね」

そもそも相続税の調査を行うのは、預金の洩れがあり、調査官が事前に銀行などへ問い合わせ
をして、その事実を把握してから調査しているので、90%位の確率で申告洩れを指摘されていた。
税理士としても、故人が生前に預金を分散している場合、故人名義の分しかわからず、申告洩れ
があるのもやむを得ない面もあった。
それで今回も、おそらく預金の申告洩れではないかと直感していた。

 正直一本調査官 「先生、問題点は一つだけですので、それが確認できれば今日一日か、
            あるいは午前中にでも終わると思います。実は、故人の預金について
            UFJ銀行で確認したら、不審な預金の動きがあったのでその預金の調査
            をしたら、洩れがあるみたいですよ」

古武良税理士は、ほらきた!と思いながら調査官の話を聞いていた。

 正直一本調査官 「実は、故人が亡くなる数ヶ月前に、故人名義のUFJ銀行の預金が
             5,000万円引出されていましたが、堅太郎さんはこの預金について
             ご存知ありませんか?」
 堅太郎氏   「え〜まさか!私はオヤジと仲が悪く、又母も実の母親ではないので実家には
          ほとんど行かず、オヤジの預金がどこの銀行にいくらあったか、実のところほ
          とんど知らなかったんですよ。イヤ本当ですよ」
 正直一本調査官 「実はですねぇ、堅太郎さん達の義理の母親春子さんに、妹達がいますよね。
            生前に引出された5,000万円の行方を追跡調査したら、春子さんの妹3名の
            口座に振り込まれていましたよ。
            この分は、亡くなる前の3年以内の贈与ですので、相続財産に含まれます。
            結果的に申告洩れとなっていますよ」
 堅太郎氏  「そんな、いくらなんでも長男の自分が知らないうちに、オヤジの預金を引出す
         なんて、ドロボウ猫みたいな事をして・・・」

堅太郎氏は、自分も知らなかった父親の財産がまだあり、しかも父の相続人でもない人達が
貰っていたのを全く知らなかったらしく、かなり怒っていた。

 堅太郎氏 「そういえば、普段は行き来のない向こうの人達が、やけに春子おばぁの見舞いに
         来ていて、人情がある人達だと思っていたら、親父の金を盗っていたとは・・・」

後でわかったことだが、故春子氏が入院中にその妹が見舞いに来て、故春子氏が保管していた
故優気氏の預金通帳と印鑑を預かって、お金を引出したようであった。

 正直一本調査官 「古武良先生そういう事ですので、妹達への贈与税の件は当方から連絡
            しておきますので、故優気氏の相続税の修正についてはよろしくお願いします」
 堅太郎氏  「正直さん、修正申告と言うと私の税金が多くなるのですか?私がオヤジから
         生前に全く貰っていない財産で、向こうの人達が勝手に取ったものだから、貰った
         人達から税金をとればいいのではないですか?」
 正直一本調査官 「健太郎さん、言いたい事はごもっともですけど、3年以内に贈与した財産は
             相続財産に加えられて財産が多くなり、その結果相対的に相続税が多く
             なりますよ」
これは、全体の相続財産が膨らんでその結果税率が引き上がり、贈与で貰っていない人の税金
も多くなるのである。堅太郎氏の言う通り、本人は貰わず他人が生前に父親の財産を貰ったから
と言って、どうして自分の税金が多くなるのか、疑問に思ったのは当然の事である。
 故春子おばぁの妹達には、贈与税の高い税金が追徴された。生前贈与で貰った財産の半分く
らいの税金を納付したようである。
堅太郎氏達兄弟は、数百万円の税金を納付してこの件は終わった。

 それにしても、頑固オヤジの優気氏が遺言状を残し、また預金も自己で管理しておけばな・・・
とつくづく思った古武良税理士であった。(~_~;)





















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